世界一流のアーティストやパフォーマンスが、いかに安く見られるかについて報告したい。
食事や滞在費は、どちらも物価が高い都市なので、上を見ればきりがないので、それぞれ皆様の趣味趣向に合わせて選んでください。
1.ミュージカル「オペラ座の怪人」 観劇 6750円/人
@Her Majesty’s Theater STALLS(Restricted View)O23-24 5月25日14:30-17:00
良かった!会場はHer Majesty’s Theater(女王陛下の劇場)特別な仕掛けがあって、開始早々シャンデリアが舞台から天井へ釣り上げられる。話の途中でこれが落ちてくるのである。この上下の部分が2階席の迫り出しに阻まれて見えないところがあった(Restricted Viewと言われる由縁)。しかし舞台は余すところなく見えた。
何せロングランなので、みんなやり慣れておりミスなく進む、場面の展開が極めてスムース、
仕掛けや衣装照明で場面展開も素早く、観客は一気に内容に引き込まれてしまう。
舞台装置やシャンデリアに幕の使い方も素晴らしかった。衣装の交換も舞台の上で素早くなされて、はっとするほど素晴らしい。衣装にお金もかかっている。
花火や火焔を使っているなど、日本では上演禁止になりそう。
怪人がシャンデリヤに乗って歌うなど趣向も盛りだくさん。
階段に集まって歌い踊るシーンでは、豪華な衣装の人形も配置され一層賑やかさを強調していた。
手品みたいな仕掛けもあり、とにかくいろんな要素が満載で、しかもそれがこなれている。
オーケストラも、ハープも2台もあるような大勢のメンバー構成で、あの有名なメロディーを奏でてくれた、これも素晴らしかった。
とにかく演出が出色、2-30年前の経験だが劇団四季よりも数段面白かった。
もちろんスタンディングオベージョン。
カーテンコールが終わってから、観客はぞろぞろと出口に向かっていくが、我々はオーケストラピット前まで行って、演奏が聞き終わるまで待って、拍手をしてから引き揚げた。
1階の席からは、上部が見渡せなかったが、オーケストラピット前まで来てみると劇場の天井を見上げることが出来、その豪華さが増した。
チケットは、現地で格安切符を買う予定だったが、心配になったので旅行の直前に英国政府観光庁のHPで購入
https://www.visitbritain.com/jp/ja#BHFeblmIlqux7fgG.97
開演30分前にはバウチャーを提示し、チケットに交換してもらう必要があった。
2.ドニゼッティ「愛の妙薬」オペラ 観劇 4,425円/人
@ROYAL OPERA HOUSE 席正面だが天井桟敷寸前の椅子席V55-56
二人で£59(8,850円)5月27日金曜日開場19:00 公演19:30-22:30
舞台が米粒くらいにしか見えないが、雰囲気は十分伝わったし、歌も音楽もしっかり聞き取れた。舞台は田舎の田園風景で大きな場面展開はない簡素な造りであった。
歌手陣は、ロナルド・ビリャソン休演でアルメニア人テノール歌手リパリット・アベチシャン(Liparit Avetisyan)が主役のネモリーノを、アディーナ役は南アフリカ出身ソプラノ歌手プレティ・イェンデ(Pretty Yende)、ドルカマーラ役はイタリア人バス・バリトン歌手アレックス・エスポジート(Alex Esposito)、ベルコーレ役はイタリア人バリトン歌手パオロ・ボルドーニャ(Paolo Bordogna)、ジャンネッタ役はロシア人ソプラノ歌手ウラダ・ボロフコ(Vlada Borovko)
指揮ベルトラン・デ・ビリー(Bertrand de Billy)はフランス人
国際色豊かな陣容で、イタリア語での公演、英語の字幕はあったが、それを見ていると舞台に集中できないので、ひたすら舞台に注目。
コミカルできびきびした演出であった。衣装にお金がかかっている風ではない。
何よりも、アリアが良かった。女性陣も声が伸びて素晴らしい出来、男性陣も説得力のある歌声であった。オーケストラも素晴らしい。また、コーラスの歌声も良かった。
とくに重唱が心に響く。とてもきれいに聞こえる。アンサンブルの妙というか。一つ一つの唄が素晴らしいからこそ、そろった中での美しさが際立っている。
NHK交響楽団首席オーボエ奏者の茂木大輔氏が、「欧州での修行中に、伴奏の出だしについて意味が伝わるように、欧州では子音が発声された直ぐ後に、ついて出るようにとタイミングを徹底的に指導され、一気に白髪になった」という話を聞いたが、まさにお互いが歌を聞きながらの緊張感ある伴奏オーケストラの妙を実感した。その間をその緊張感を観客も楽しむ。
ネモリーノが第2幕で歌う有名なアリア「人知れぬ涙」には、鳥肌が立った。演奏も素晴らしく、ドニゼッティの音楽に酔いしれた。しばらく拍手が鳴りやまず。
素晴らしいものを揃えること。これこそが一流の味というものであろう。十分堪能できた。
ブラボーの声は、天井桟敷から聞こえた。ここには、通が陣取っているのだろうか。
演奏以外で、吃驚したのは、劇場付属のレストランやパブである、日本の劇場でもホワイエには簡単なカウンターがあるが、ここは体育館ぐらいの大きさ、しかも幕間には満員になる。さすがロイヤル・オペラ・ハウスである。すごい光景で壮観であった。日本では出来ない、それこそ現場にいてこその体験だった。
チケットの購入は、ロイヤル・オペラ・ハウスの公式HPで購入。4か月前の売り出し日1月26日に購入した。席も自由に選べるし、その席から舞台どう見えるかが表示されるのでとっても分かり易い。そのままのe-ticketを印刷して、入場できた。
ロンドン・パリ滞在記 その2
日頃テレビでしか見たことのない世界の一流選手の試合が、目近でしかも安く見られるかについて報告したい。コートの選び方やチケットの取り方についても記載した。
3.パリ テニス フレンチ・オープン 観戦 17,500円(3日分)/人
5月30日(火)大会第3日 スザンヌ・ランラン cat2 €55×2名 13,750円
5月31日(水)大会第4日 フィリップ・シャトリエ cat3 €55×2名 13,750円
6月1日(木)大会第5日 アナザー・コート ANNEXES €30×2名 7,500円
男子シングルスの、キリオスとアンダーソンの試合を見たが、どちらも強力サーブの持ち主で、一度のラリーもなくサーブだけで決まるというゲームを実際に見た。キリオスがラケットを壊して注意を与えられたのに、控え席に戻って飲み物入れの箱を壊れたラケットでまたも叩いて今度は相手に1ポイントを与えられ、次のゲームは15-0から始まった。また、フェレールとロペスの試合は、どちらもラリーが得意でなかなか決まらず長い試合で一度トイレ休憩で出てもう一度並びなおし1時間ぐらいで入れたが、まだやっていた5セット目であった。
ドイツのブラウンとフランスのモンフィースの試合も面白かった。技のデパートみたいなブラウンは、強打もあるのにドロップショットを打ってみたり、自分の技に酔うタイプと見た、でも表情も可愛くて一気にファンになってしまった。
その他、男子ダブルスも展開が早くて面白い。また、女子ダブルスではマルチナ・ヒンギスの試合を見たが、若い選手よりも俊敏な反応をしていたのが印象的であった。
●会場の様子
試合開始は、11:00からだが10:00前には開場しているので、早めに行かれることを推奨する。遅くなると混み合う。なにせ、荷物チェックに体の金属探知、さらに身体検査と3重のチェックがある。また、その他のコートで見たい選手の試合があるときは、そのコートに行けば、座って待つことが出来る。ほかの選手の練習があるのでそれを見たりして時間をつぶせる。
ともかく、会場内は広いので端から端まで行くのに、人込みをよけながら進まねばならず、なかなか大変だ。また、どのコートがどこまで進んでいるかなど、インフォメーションを利用して尋ねて見るようにしよう。
軽食スタンドやローラン・ギャロスのオフィシャルショップなどもあって賑やかだ。
大型ディスプレイもあるので、主要なコートの状況はこれを見るとすぐにわかる。
パリのこの時期は10時ぐらいまで明るいので、目いっぱい20:00まで見ていても、地下鉄で30分乗れば街の中心に戻れる、丁度その頃が夕食時間帯だ。11時前にはホテルに戻れる。
●どのコートを選ぶか
組み合わせによって、会場も毎日割り振られるので、観客としては大会何日目のどの会場の指定席を買うかは大問題だ。
シード選手から、フィリップ・シャトリィエ、スザンヌ・ランラン、No.1コートの順に割り振られるので、第1日目は予想しやすいが、チケットを買う時期(3月)とドローが発表される時期(5月)とは違うので、見たい選手にあたるかどうかはわからない。
1回戦(第1、2、3日目)では、シード選手もその他のコートで試合をするので、並んでそれを見ることが出来る。しかも目近で観戦できる。もちろん一度席を離れればもう一度並び直す。もしくは他のコートに並び直しとなる。小さなコートでは席が少なく、なかなか空席が出来ないと、待ち時間が長くなる。
もちろん指定席を買えば、コートチェンジの時に必ず入れてもらえ自分の席に戻れる。
我々は、指定席は確保しておいて、あまり面白くなさそうな組み合わせの時に、他のコートを見に並びに行った。どのコートで何をやっているかは、会場入り口の先に新聞が置いてあるので、入場時にそれをもらっておこう。
1回戦の指定席を取ると、ワンサイドゲームが多くなり、見せ場が少ないともいえる。
また3回戦(第6、7日目)ともなれば、主要会場以外のANNEXESチケットで行ける会場では、男子シングルスはほとんどなく、男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの試合が主になり、その後4回戦(第8日目)日程ではジュニアの男女の試合が多くなる。
自分の好きな選手や見てみたい選手を選んで見ようと思えば、6日目ぐらいまでに行って、お目当ての選手を選び、その他のコートで並んで見ることをお勧めする。
特に、No.2コートやNo.3コートでは真後ろの観覧席があり、自分に向かってくるサーブを実感できる。私もアンダーソンの217km/hのサーブを体感しました。球の回転も見えるし、コースの打ち分けなど、首を振ることなく観戦できるのでお勧め。
●チケットの取り方
チケットの入手が一番困難だ。まず、FFT(フランステニス協会)に登録しておく。そうすれば、チケットの発売日の連絡がメールで来る。2017年は3月22日だった。その日の10:00現地時間(日本では午後18:00)に申し込み開始になるので、パソコンンの前に座り、申し込みの開始をクリックする。そうするとあなたのリクエスト番号は何番ですと表示され、そこからカウントダウンが始まるので、辛抱強く自分の番が来るのを待つ。私は2時間ぐらい待った。選択可能になれば、日にちとコート、カテゴリーを選び2席(一人で申し込める指定席は4席までの制限)カートに、次の選択2席をしてカートに、私の場合はもう一つANNEXESも2枚カートに入れ、購入手続きにクレジットカード決済として申し込んだが、なかなか受け付けてもらえず、何回かチャレンジしてやっと決済が完了した。実際は、開催日までに当日行く人一人一人の名前の登録をしてe-ticketを各自の分を一枚ずつ印刷して当日持参する。入場時にパスポートと照らし合わせる。
以上